宇宙ゾーン
スイングバイ
universea-09
宇宙の構造

ゴール(穴)をめがけてボールを転がす。ボールの動きをよく観察すると、穴の近くで速くなったり、軌道が曲げられる様子が分かる。
解説Explanation
スイングバイは、天体の重力と公転速度を利用して、探査機など宇宙空間を進んでいる物質の軌道や速さを変える技術です。
展示ではボールは宇宙空間を進んでいる物質(探査機)、穴に向かって曲がった面は天体の重力を表しています。重力によって、ボールの軌道が変わることが観察できます。
この技術を使って探査機の軌道を調整することで、少ない燃料で効率的に目的地まで運ぶことができます。しかしそのためには、狙ったタイミングで正確に天体の近くを通る高い制御技術が必要です。

深堀りDeep dive
スイングバイでは、なぜ向かう方向(軌道)だけでなく、速さも変えられるのでしょうか。
この展示で示しているように、天体が静止している場合、宇宙空間を進んでいる物質は天体に近づく際には重力により加速し、離れていく際には減速します。結果として、近づく前と遠ざかった後で探査機の速さは変わりません。
しかし、実際の天体は運動しています。たとえば、惑星は恒星のまわりを公転しています。そのため、探査機が天体の裏からまわって天体の進行方向に離脱すると、天体のエネルギーを受け取って加速します。反対に、天体の表からまわって天体の進行方向と逆方向に離脱すると、減速します。
2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」は、地球の近くを通った際に速度を上げ、遠方の小惑星「りゅうぐう」へと向かいました。理論的には、はやぶさ2が速くなった分地球は少しだけ遅くなるのですが、はやぶさ2の質量は地球と比べると10の22乗ととても小さいため、この影響は無視できるほどでした。
キーワード
- # スイングバイ
参考・引用
- JAXA「はやぶさ」(2024/10/4 閲覧)
- https://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/past/hayabusa.html